狂犬病は過去の病気?
4月に入ると、小中学校や公民館等で狂犬病の集合注射が行われる時期になります。
ところで皆さん!
狂犬病って、日本にはもう存在しないと思いますか?
日本では50数年来狂犬病は発生しておらず、世界でも狂犬病撲滅した清浄国として
認められています。
では、世界中ではどうだと思いますか?やはり狂犬病は珍しい病気?
実は世界レベルでみると、狂犬病の清浄国は数少なく(イギリスやオーストラリア、ニュージーランド他・・・。)、
全世界では未だ狂犬病ウィルスは存在し、アジアの国々でも発生は珍しくありません。
ですから、日本では狂犬病は発生していませんが、
日本人が海外旅行に行って犬に噛まれて狂犬病に感染したという記事を稀に目にするように、
狂犬病は過去の病気ではないと認識する必要があります。
では、日本ではなぜ狂犬病が撲滅されたか?
それは、日本が島国であること、動物検疫がしっかりしていること、
その二つが大きな理由と考えられます。
それなら、ワンちゃんに狂犬病予防注射は必要ない?
しかし、そういう訳にはいきません!
いくら検疫をしっかりしても、今の国際化社会の中にあっては人と動物の行き来は激しいですので、
少し油断をすると、狂犬病ウィルスがいつ日本に侵入してきてもおかしくないのです。
そして、狂犬病はワンちゃんだけに感染する訳でなく、人やネコを始め、すべての哺乳類に感染する可能性があります。
米国ではアライグマやキツネ、スカンクク、ウモリ等でも狂犬病が問題になっています。
ですから、日本でも今後もさらにしっかりとした検疫を行い、
侵入を防ぐということがより重要であるということは言うまでもありません。
ただ、もし、狂犬病ウィルスの日本への侵入を許したとしても、ある一定レベルの割合で(60〜70%くらいだったかな?)
狂犬病ワクチンを接種していれば、蔓延を防ぐことができると言われています。
しかし、残念ながら、日本ではまだまだ予防接種率はそのレベルにはほど遠い現状であります。
ワンちゃんの飼い主さんは今一度、狂犬病という病気を認識して頂き、
ワンちゃんに狂犬病予防注射をしっかり受けさせてあげて頂きたいと思います。
狂犬病予防注射は春だけのものではなく、各動物病院で一年中接種可能ですので、
集合注射に行きそびれた方は、お近くの動物病院に連れて行ってあげて下さいね・・・。
ワンちゃんを飼っておられない飼い主さんも狂犬病は過去の病気ではないと認識頂き、
ヒトも狂犬病発生地域への海外旅行の際には出発前にワクチン接種を受ける等、ご注意して頂きたく思います。
今日は狂犬病のお話でした。
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